省エネ情報(3月号) 省エネ意識の向上に向けて
省エネ情報(3月号) 省エネ意識の向上に向けて2019/02/20
日本人の省エネに対する意識は高く、多くの人が省エネを意識した生活を送っているが、企業の省エネに対する課題として 「個々の省エネ意識が浸透しない」 という問題点はよく挙がってくる。
今回は施設職員の意識向上を目的として、取り組んだ事例を紹介する。
この施設で行った省エネ意識向上のための方法は以下である。
<敷地内巡回>
敷地内を巡回し、気が付いた点を該当の職員に注意や指導を行う。
1)水を出しっぱなしで清掃する(その場を離れる)職員に水を止めるよう指導
<意見交換会の実施>
全職員が参加する定例の会議で省エネのコマを作り意見交換会を実施。
2)現状のエネルギー使用状況の可視化
3)エネルギーが無駄になっていると思われる、それぞれの担当作業について意見交換
以上のように特別なことは行っていないが、注意した点は、当社のような省エネ事業者はあくまでもオブザーバーに徹し、職員を「省エネを検討・実行する当事者」にすること。これにより省エネに対する責任感を持たせることに成功した。
意見交換会で出た省エネ対策で多かったものが、ちょっとした作業手順の変更や、ホームセンターなどで小額で購入可能な節水パーツの設置など、簡単に実行できる意見が多く、効果も非常に高かった。
意見交換会を行う前は作業手順を変えていいかどうかの判断ができない、また、小額であれ投資への抵抗などが省エネを阻む要因となっていた。良いことは、実行してもいい空気を作ることも大切である。
以下表はこの施設の光熱水費推移である。
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
改善前 光熱水費 | 約1億円 | ||
改善後 光熱水費 | 約8,900万円 | 約8,100万円 | 約8,400万円 |
削減額 | 約1,100万円 | 約1,900万円 | 約1,600万円 |