省エネ情報(6月号) 全熱交換機の適切な使用方法
省エネ情報(6月号) 全熱交換機の適切な使用方法2019/05/20
全熱交換機は、右図のように排出される室内の空気と取り入れる外気を熱交換することによって空調負荷を減らしながら換気ができる省エネ設備である。
設備単体としてみれば有効な省エネ設備であるが、運転すれば必ず省エネになる訳ではない。
適切な使い方をしなければ省エネにならないばかりか、エネルギーを増やす要因になることを認識する必要がある。
- 中間期の場合
- 中間期における冷房運転時の全熱交換機は、電力を使って冷熱負荷を増やしていることが多く、状況を判断して運転することが大切である。
部屋毎に設置されている全熱交換機の場合、各部屋の利用者が適切な利用方法を知らないため、必要のない熱交換を行っているケースがよく見受けられる。
熱交換をした方がいいのか、しない方がいいのかの判断を利用者に期待することは難しいため、スイッチ部分に分かりやすい表示を貼るか、設備の管理者が設定し、こまめに見て回る努力が必要になる。 - 夏季冬季(冷暖房運転時)の場合
- 冷房中であっても外気の温度が室温よりも低ければ、全熱交換機を停止し、冷たい外気を直接取り入れた方が、省エネになる。
全熱交換機が効力を最大限に発揮するのは、室温より外気の温度が高くなる夏季と、室温より外気の温度が低くなる冬季である。
以下表の外気と室内温度の関係から全熱交換機がある施設は、有効性を考えて使用していただきたい。
<熱交換可否の外気と室内温度の関係性>
外気が室内温度より | 夏季 | 中間期 | 冬季 | |
---|---|---|---|---|
冷房中 | 空調なし | |||
低い | X | X | X | ○ |
同じ | X | X | X | X |
高い | ○ | ○ | X | X |