地下駐車場 排気ファンの提案
地下駐車場 排気ファンの提案2023/09/4
省エネ事例
地下駐車場 排気ファンの提案
- 対策による効果
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- エネルギー使用量:2,700kWh/年削減
- コスト:33千円/年削減
物件の概要
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- 建物用途
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- 事務所ビル
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- 高層階:事務所
- 低層階:商業施設(地下1F:レストラン他、地下2F:駐車場)
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- 面積
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- 敷地面積:3,354.71㎡
- 延床面積:43,602.12㎡
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- 築年数
- 2016年竣工
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- 空調方式
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- 地上階:ビルマルチEHP
- 地下 商業施設:チラー+外調機、ビルマルチGHP

現場状況
地下駐車場に設置された換気用の排気ファンは一酸化炭素濃度による自動制御で常時30%の出力で運用されており、COセンサー付近の一酸化炭素濃度が96ppmを超えると100%運転となる。
- 機器のCOセンサー運用とは
- COセンサーで計測した一酸化炭素濃度により換気装置を自動制御することで適正な換気量の確保と省エネを両立することができ、換気装置のエネルギー消費を最大90%まで削減することができる。
問題点
- 1台の車両に排気ファンの発進・停止が左右される。
- 駐車場内全体の一酸化炭素濃度を計測するCOセンサーが車室の後方壁面にあるため、該当車室の車両が駐車中にエンジンを切らなかった場合、この一台のために付近の一酸化炭素濃度が上昇し排気ファンが100%運転に切り替わってしまう。
改善点
- 一酸化炭素濃度が適切に測定できる位置に移設。
- 排気ファンの稼働が正常に維持できるようになり無駄なエネルギー消費を減らすことができます。
評価されたポイント
- 一酸化炭素濃度を正しく測定することで適正な換気が行われる。
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- 無駄なエネルギー消費を排除 ⇒ 省エネルギー
- 一酸化炭素中毒を正しく防止 ⇒ 地下駐車場の安全な利用
参考
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- 健康を害する一酸化炭素濃度
- 一酸化炭素:自然濃度は約0.2ppm
駐車場のような広いエリアでは一酸化炭素の許容濃度は100ppmですが、狭い部屋では めまいや吐き気等の症状が30ppmから現れる場合もあります。
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- 一酸化炭素中毒の症状
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- 鈍い頭痛
- 脱力感
- めまい
- 吐き気または嘔吐
- 呼吸困難
- 錯乱
- ぼやけた視界
- 意識の喪失
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- 駐車場法 第12条 換気装置
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- 建築物である路外駐車場には、その内部の空気を1時間につき10回以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設けなければならない。
- ただし、窓その他の開口部を有する階でその開口部の換気に有効な部分の面積がその階の床面積の10分の1以上であるものについては、この限りでない。
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- 現行の換気基準の考え方
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- 現行の基準は、駐車場内の一酸化炭素濃度の恕限度を100ppmとして設定。恕限度(じょげんど):人体に害を与えるような条件の限度。保健上許されている有害物質などの限度
- 自動車の排出ガス量及びエンジンを稼働している割合等を踏まえ、駐車場内のCO濃度が100ppm以下となるように換気回数を求めると、1時間当たり概ね10回となる。